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by twister203
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故宮博物院のこと - 3  古物有霊のコレクション

 世界中に多くのロイヤルコレクションはあれど、この故宮博物院の宝物ほどドラマテイックなストーリーを秘めているものはないように思います。

 ご存知の通り中国史は動乱の時代の繰り返しです。王朝交代ごとに都も変わり、その都度宝物も一緒に移動しなければなりませんでした。その中でも史上最大の流転は、最後の王朝清朝滅亡後、日中戦争、内戦(国民党vs共産党)の30年以上に及ぶ激動の時代ではないでしょうか。
 王朝滅亡に伴う散逸を恐れ、宝物を疎開させるなどの処置がとられましたが、内部の人間が盗み出すなど消えた物も多かったようです。日中戦争の間は日本軍による数多の爆撃の中を潜り抜けあの広大な大地を彷徨い、内戦の時には共産党軍の追撃をかわしながら、その逸品の多くは台湾に逃れました。「北京故宮博物院は入れ物、中身は台湾故宮博物院にあり」といわれる所以です。
 故宮博物院コレクションは「古物有霊(古く価値あるものは自らの力で危機を潜り抜ける)」とよく言われます。世界中の「ロイヤルコレクション」の多くは厳重に守られて来た”温室育ち(?)”ですが、この宝物は激動の中国史を生き抜いた強くたくましい、世界でも稀な「ロイヤルコレクション」ではないでしょうか。
 一般的に台湾への宝物の疎開は蒋介石の英断と言われていますが、私は古物有霊の文物が彼の心を操ったのではないかと秘かに思っています。
 


台湾故宮博物院。山のふもとにあるのは、万が一のときには防空壕にするためだそうです。
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by twister203 | 2007-05-17 21:51 | アジア文化紹介